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2012/4/12
 静岡グランシップ

講師
・日本光線療法協会 代表顧問  医学博士 宇都宮 光明
・特別講師               医学博士 竹内 宏一

健康長寿こそアンチエイジング

アンチエイジング
誰しも老化は避けられませんが、遅らせることが可能なら、遅らせたいと願っています。この願いをビジネスチャンスと捉えた人々によって、アンチエイジング(抗加齢または抗老化)は流行語になった感があります。しかしその中身はと言うと、美容整形とかUV(紫外線)カット化粧品やその関連商品とかホルモン療法とかサプリメントとか、加齢に伴う生理的変化を無視し、自助努力なしに願いが叶うかのようなことばかり目立ちます。
健康に欠かせない太陽光線を目の敵にするUVカット化粧品の宣伝の常套句は、顔のしわやしみは紫外線による日焼けが原因と決め付け、その上、皮膚癌になると脅し、化粧品で紫外線からお肌を守る美白こそがアンチエイジングと言うものです。度々こう聞かされていると、年齢的にお肌の老化が気になる中高年のご婦人方は、日光を浴びてはならないと思い込むかも知れません。しかし思い返せば容易に分かることですが、UVカット化粧品がなかった時代の高齢者のお肌は醜くなかったし、紫外線が原因の皮膚癌で死んだ人など聞いたこともないはずです。誰しも若々しく美しくありたいと思うのは分かりますが、加齢に伴う肌の生理的老化を日光のせいにする味噌も糞も一緒に扱うような広告を信じて、骨はボロボロの骨粗鬆症になり、こけて骨折して寝たきりでは話になりません。日焼けする紫外線がビタミンDを生成する自然の決め事をお肌に災いをもたらすものに摩り替えては、健康長寿に逆らうことになります。
このように見て呉れを重んじるアンチエイジングではなく、アンチエイジングが目指すべき真の目標を見定め、光線医学の立場からそれを達成するには如何にすべきかについて考察を加え、当否は諸兄のご判断に委ねたいと考えています。

アンチエイジングは健康寿命の延長
アンチエイジングが目指す目標は、健康寿命の延長、すなわち健康長寿です。健康寿命とは、QOL(生活の質)に支障がない、身体的、精神的、社会的に良好な健康状態を保つ生存期間のことです。すなわち加齢による身体機能や精神機能の低下を防ぎ、生活習慣病などの病気を予防し、自立した良好な社会生活を営む能力を保持することです。
アンチエイジングは、人は人智を超えた自然の摂理で生かされており、自然の摂理は人の都合で変えられないことを認識することから始めるべきです。その中で欠かせない日光の恵みを簡略にまとめれば、日光を浴びることで自律神経・内分泌系機能の日内リズムを調節し、気分を安定させ、ストレスに対する抵抗力を高め、生活習慣病や認知症を予防します。また紫外線のビタミンD生成作用は抗くる病効果で発見されましたが、今ではカルシウム代謝調節作用と細胞分化誘導作用の二大作用を併せ持つことが知られています。そして母乳を含めて地上でとれる食品で補えないのは、日光を浴びる自然と共生した暮らしをしていれば、ビタミンD欠乏症を起こすことはなく、食品でビタミンD過剰症を起こさない巧みな自然の業なのです。
さてUVカット化粧品を使う人は外出しますから、必要最小限の紫外線の恵みを受けていますが、もしも紫外線はお肌の大敵と思って徹底的に日光を浴びないとしたら、ビタミンD欠乏症になります。ビタミンDはカルシウムの吸収と排泄の体外バランスと細胞内カルシウム濃度を細胞外カルシウム濃度の一万分の一に保つ体内バランスのホメオスタシスを調節していますが、ビタミンD欠乏状態を起こすと、カルシウムの吸収が不十分になり排泄が増すため、カルシウムの血中濃度の低下を察知して副甲状腺ホルモンのパラソルモンを放出し、体内カルシウムの99%を貯蔵する骨から骨吸収を促してカルシウムを血中に溶出します。この際、過度に溶け出たカルシウムは組織内、細胞内に移行し、細胞内カルシウム濃度を上昇させて細胞内と細胞外のカルシウムのホメオスタシス、すなわち一万倍の濃度差を保てなくなりますが、この状態をカルシウムパラドックスと呼びます。骨吸収は骨粗鬆症の進行を促して、骨折、寝たきり、ボケにつながり、カルシウムパラドックスはさまざまな生活習慣病の危険因子になります。この点について補足して説明すれば、動脈壁へのカルシウムの沈着を促して動脈硬化症を進行させ、動脈の平滑筋細胞内のカルシウム濃度が上昇すると血管が収縮して高血圧症が悪化します。また膵臓β細胞のインスリンの分泌を阻害して糖尿病の、免疫担当細胞の機能を阻害して感染症や癌などの危険因子になります。
すなわち日光を浴びる生活習慣が、カルシウムパラドックスを防いで細胞分化誘導作用を正常に保ち、動脈硬化症の抑制、血圧の低下、インスリン分泌の促進、免疫応答の調節など生活習慣病の予防対策として有用ですから、健康長寿に寄与するのです。

メタボリックシンドローム

最近、メタボリックシンドロームという言葉も良く聞く流行語になりました。メタボリックシンドロームは肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧のような日常的に経験する病態が集積することで、合併症として心筋梗塞、脳梗塞に罹患するリスクが高まるため、死の四重奏と呼ばれたりしました。特にわが国の診断基準がメタボリックシンドロームの最上流に内臓脂肪症候群を置き、男性は腹囲85cm、女性は90cm以上を必須項目にしたことから該当者が続出し、マスコミを通して一躍知れ渡ることになりました。この診断基準についての議論はさておいて、予防の観点から食事や運動のような生活習慣に注意が求められていますが、日光の恵みの必要性について言及されることは殆どないようです。
私はメタボリックシンドロームの予防に、日光を浴びる生活習慣が役立つことが強調されなければならないと考えています。肥満について言えば、日光療法を医療に取り入れたヒポクラテスの言を俟つまでもなく、日光を浴びている人は運動をしていなくても筋肉の衰えはなく、肥満が非常に少ないことが、多くの研究で確認されています。家畜を例に述べれば、屋外で十分に紫外線を浴びて飼育されている家畜は、屋内で飼育されている家畜ほど太りません。これは紫外線には甲状腺機能を亢進させる作用があり、新陳代謝を促してカロリー消費を増やすため体重が減ると考えられています。血中脂質については、脂質を分解して、コレステロール、中性脂肪ともに低下させる作用があります。その結果、アテローム性動脈硬化(粥状硬化)による循環不全が改善することが報告されています。
このように日光を浴びればメタボリックシンドロームで問題にされている肥満、脂質代謝異常、糖代謝異常、高血圧などすべてを改善する効果が期待できるのです。

がん予防とビタミンD

ビタミンDにはカルシウム代謝調節作用と細胞分化誘導作用の二大作用がありますが、日光浴でカルシウム代謝に関係するビタミンDを生成した後は、カルシウム代謝に関わらないが細胞分化を誘導する作用が示唆されているビタミンD関連化合物を生成します。細胞分化とは細胞が形を変え機能を変えることですが、ビタミンD受容体は小腸粘膜上皮細胞、副甲状腺主細胞、造骨細胞、腎臓の遠位尿細管細胞のようにカルシウム代謝を調節する標的器官だけでなく、膵臓のβ細胞、下垂体、甲状腺、皮膚、胃、肝臓、胸腺、脳、骨髄などから胎盤、悪性腫瘍の細胞に存在することが明らかにされており、実験的に悪性腫瘍細胞の増殖を抑制して正常細胞への分化を誘導することが明らかにされています。
さて現在、わが国では三人に一人は癌で死亡しますが、十分に日光を浴びると癌を予防する効果があることが報告されています。2002年にグラントは紫外線被爆量が多いアメリカ南西部諸州と少ない北東部諸州の癌罹病率、死亡率を検討し、乳癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、悪性リンパ腫、膀胱癌、食道癌、腎臓癌、肺癌、膵臓癌、直腸癌、胃癌、子宮癌の13の癌で紫外線被爆量が多い地域に比べ少ない地域では死亡率がほぼ二倍になる癌もあると報告しました。また1982年にショウは悪性黒色腫が屋内労働者に多く屋外労働者の二倍になると報告しています。これらの報告は紫外線を浴びるほど癌予防効果があることを示していますが、ビタミンDのカルシウム代謝調節作用と細胞分化誘導作用が関与するとされています。

健康長寿の原点は自然との共生

加齢による足腰の衰えを防ぐことは諸臓器の活性化にもつながりますが、どうすれば良いかという質問は愚問です。名医もサプリメントも役に立ちません。だからこそ運動やウォーキングが盛んなのですが、屋内運動や日没後のウォーキングでなく、昼間、日光を浴びながら、額に汗して屋外で運動しウォーキングをしてこそ筋力を高める自然の摂理にかない、アンチエイジングにつながるのです。
健康寿命を保って限界寿命を生きるアンチエイジング、健康長寿はすべての人の願いです。その願いをかなえるには、食事は地場産の露地栽培の旬の食べ物を好き嫌いなく腹八分、移動は自分の足、そして日光を浴びる、このようなシンプルライフに求めるべきです。すなわち自然と共生した暮らしこそアンチエイジングの願いを叶えるのであり、実際、世界で知られる長寿地方は、この条件を満たす僻地です。しかし文明社会は多くの人々の生活の場から日光の恵みと共生する暮らしを奪いました。カーボンアーク方式の光線療法は人工太陽として日光の恵みを何時でも何処でも再現しますので、アンチエイジングの願いを叶える手助けをすることを述べ結びとします。

 

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